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Artists Statements
Passage−時代の温もりヨーロッパの古い街並みを歩いていると、なぜか心が落ち着くように感じます。 時代が積み重なってできた風景には、人を包み込むような温かみがあるのです。 古い「もの」を大切にするヨー ロッパでは、物質的な豊かさや効率性とは異なる多様な価値観が存在し、人々は質素でありながら、それぞれがゆったりと生活を楽しんでいるように思えます。 彼らは、自分たちの文化や伝統を大切に守りつつ、近代化と共存するという道を選んでいるのです。日本にも、時代を経て作り上げて来た固有の文化や価値観があったはずです。 しかし、経済発展や物質的豊かさを優先する過程で、その多くが失われて来ました。 便利さが増し、大量にものを消費する生活の中で、私たちは丁寧に暮らすことや、何かを大切にする心を失いかけているのではないでしょうか?高度に進化した金融システムが世界経済を揺さぶり、時代の転換期を迎えています。 この時代と時代のはざまが、今の日本を違った視点で見つめ直すきっかけになればと思います。 もともと、人間の暮らしを支え、幸福を実現するための手段である技術や経済は、競争社会の中でどんどん高度化し、複雑化して行きます。 私たちはそれらに適応することに日々追われ、社会や生活に対する大切な視点を忘れているのかも知れません。経済発展を遂げ物質的に豊かになった社会の中にあっても、私が生きていると感じるのは、風に揺れる優しい木漏れ日や、夕陽に染まる空を眺めている時であったりします。 そして、私を幸せな気分にしてくれるのは、家族や友人が喜ぶ姿であり、地元の商店街のおじさんやおばさんが私に向けてくれる笑顔です。 豊かさや幸せは、何か特別な事の中にあるのではなく、居心地の良い居場所のある日々の暮らしの中から生まれて来るように思います。私はこれから、そんなことを、一番自分にあったカメラという道具を通して見つめて行きたいと思います。 未来に希望を描き、人が互いを思いやり、そして、それぞれが心豊かに人生を楽しむことのできるそんな社会を願いつつ。
Process Statements
Passage − 時代の温もりcameras/ キャノン-EOS 1,ニコン-F3prints/デジタル・アーカイバル・プリント