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- Artists Statements
- 「甘い地獄」
- ハリウッドに見る日本の近未来図グローバル経済とIT化で象徴されるニューエコノミーが進展し、日本でもかつての既得権や規制が徐々に崩壊していった。何を行うのも自由になる一方で、その結果に個人が全責任を負う社会が訪れつつある。世界不況の中でも大きな動きは変わらないだろう。しかしそんな新しい社会に光と影があることが明らかになってきた。一部の成功者が生まれる一方で、ワーキングプワーといういくら働いても最低限の生活しかできない階層が出現している。社会は少数のエリートと定型化された仕事を行う非正規労働者へと分断されてしまった。あたらしい現実を前にいま多くの人が将来に不安を持っている。実は、日本の近未来図はニューエコノミーの先進国アメリカで既に現実化している。ハリウッドはまさにそんな場所だ。私たちがイメージする華やかな映画の都のイメージは一部の成功者を捉えているだけにすぎない。圧倒的に多いのは競争に敗れ去った人々だ。本作を撮影したのはまだ景気の良い時だった、不況のいまその数はさらに増加しているだろう。ストリートの片隅には幽霊のような彼らの影が見え隠れする。ワーキングプワーどころではない、希望が見えなくなった人間は落ちるところまで行くのだ。社会的役割がないので、格好や行動に規範などない。本能的に日々を過ごし、ドラッグや犯罪に走るのも自由だ。そしてその先にあるのは死の匂いがする地獄だ。
- Process Statements
- 「甘い地獄」cameras/ニコンprints/ゼラチン・シルバー・プリントほとんどをノーファインダーで撮影している。